地味に怖い話「日本人形」「あーちゃん」

日本人形

出産して3週間。

産後の痛みもようやく落ち着いてきたころだった。

ようやく寝かしつけ私も隣のベッドへ。

実家へ里帰り出産をしていたため、私と子ども用に部屋を用意してもらっていた。

その部屋には母が昔、嫁入り道具として持ってきた日本人形があり、子どもの頃から苦手な部屋だった。

でも、世話になる身なので、わがままは言えない。それよりも、初めての子育てに一生懸命すぎて、そんなことは忘れていた。

私もようやく眠りにつきそうなときに、金縛りになった。

高校受験のとき以来の金縛りだった。

久しぶりだったので、驚いて思わず目を開いてしまった。

すると、子どものベッドから黒い影が私の足元へ移り、胸の上まで登ってきた。

「これは夢だ」

そう思い、もう一度目をつむり、体を動かしたがやっぱり動かない。

声も「あ…あ…」くらいしかでない。

影が顔の位置まで来た途端、目を開けてしまった。

日本人形だ。

1cmにも満たない距離で日本人形がまじまじとみてくる。

顔は人間と同じくらい。いや私より大きい。

顔は黒い髪で覆われよく見えない。

黒の目だけがやたらと見えた。

怖くて目をつむり、しばらくしたら金縛りがとけた。

その日は怖くて夜も電気をつけて寝た。

たまに人形のことを思い出すが、今でも人形の顔は見ることができていない。

あーちゃん

いとこの子どもが産まれ、2歳になりました。

実家の祖母の家にみんなが集まるということで、私たちも行くことに。

祖母の家は築100年を超えた、とっても古いおうちです。

居間からのびる廊下は日に当たらず、日中でも真っ暗。

私も小さい時、ずっと怖がっていました。

廊下の先には、誰も使っていない部屋と、ピアノが置いてある部屋、二階へ上がる階段があります。

廊下に電気はなく、いつでも真っ暗なまんま。

2歳のいとこの子どもが、ずっとその廊下を見ていました。

いとこが何気なく、「何か見えるの?」と聞きました。

いとこの子どもは一言。

「あーちゃん」

とだけ言いました。

いとこの子どもが知っている人に、あーちゃん、なんて人はいません。

「ばーちゃん」と言いたいのかと思いましたが、その子は「ばーば」と呼んでいます。

廊下にあーちゃんがいたそうです。

コメント